毒親の入院問題
毒親から離れて平穏な生活を送るなか、突如として起こるのが「毒親の入院問題」
毒親も高齢になるとどこかしら悪くなったり、転んでケガをすることもある。
普段まったく連絡をとっていなくても、毒親が病気やケガで入院すると再び毒親と接点をもたざるを得ない状況になることがある。
結論から言うと、「毒親の入院からも逃げていい」
毒親が入院した場合の逃げていい理由とその方法をお伝えします。
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毒親の入院は突然に
高齢になれば増える病気やケガ。ひどくなれば入院することもある。
毒親が家で苦しんでいる分にはこちらは関係ないが、入院となればまた違った意味で面倒なことが起こります。
それは入院する際に必要な「保証人」「連帯保証人」「身元引受人」問題です。
現状は病院の大半は、入院する際に連帯保証人や身元引受人を求められます。
毒親の入院。連帯保証人や身元引受人になりたくない
普通の人が入院する場合、配偶者や子どもの保証人や身元引受人を頼むことになります。
それはあくまで普通の家庭の話。
毒親もちの子どもからしたら、今までされてきたことを考えると入院するからといって精神的にも金銭的にも毒親とは接点を持ちたくない。
そんな状況のなか、毒親が入院するからといって保証人や身元引受人を頼まれたら・・・。
やりたくない、でも断っていいの?世間的にはどうなんだろう。
そんな不安がよぎります。
毒親が入院時。連帯保証人・身元引受人問題
入院する時に病院から渡される書類の中に「入院申込書及び誓約書」といった類のものがあります。その書類に入院する本人と連帯保証人や身元引受人に書かせて提出させるものです。
入院申込書及び誓約書の主な内容
- 入院の申し込みをします
- 病院の規則に従います
- 入院料やその他請求されたものを指定日までに支払います
上記は入院する本人が守るべき内容です。
次に連帯保証人や身元引受人の欄があり、こう書いてあります。
連帯保証人・身元引受人の欄
- 入院する者の連帯保証人、身元引受人(身元保証人)として入院誓約書並びに諸規則を守ります。
- 万が一本人(入院する人)が違反をした場合、連帯保証人は極度額※1の範囲で本人と連帯して責任を負います。またその際の本人の身上に関しては、身元引受人(身元保証人)が引受します。
※1.極度額とは入院者本人が支払えなくなった金額を全額際限なく金額を保証するものではなく、あらかじめ金額の上限を決めてかかれた金額のこと。
要約すると、
毒親持ちの皆さん、これ怖くないですか?
やっと毒親と離れたとしても毒親が入院するときに、こんな書類にサインさせられるんです。
ちなみに私の毒親が入院したときの極度額は60万円でした。
よく知らずに記入してしてしまうと60万円まで保証しなくてはならないですし、病院を退院するときに身元を引き受けなくてはならなくなります。
毒親の入院誓約書って子どもが絶対書かなくちゃいけないの?
普通の高齢の親が入院した場合、たいていは配偶者や子どもが保証人や身元引受人になるようにもっていかれます。
「もっていかれる」という書き方をしたのは、入院時に慌てているなかで子どもは病院側に言われるがままに親の連帯保証人・身元引受人になるという書類にサインをさせられてしまっているということです。
病院側からしたら連帯保証人や身元引受人を確保しておかなければ、入院費の保証や退院時(死亡含む)の身元引受人がいなければ困るからです。
病院経営のためにも仕方のないことだと理解はできます。
ですが、子どもだからといって親の連帯保証人や身元引受人にならなくてはいけないのでしょうか。
毒親じゃなくても子ども自身に病気があったり収入が少なかったり、保証できるほどの余裕がない人もたくさんいますよね。
そんな場合でも絶対にならなくてはならないものでしょうか。
現在、入院するときに保証人・連帯保証人を立てられないからといって、病院側が入院を拒否することは、医師法第19条第1項に違反する可能性があります。
その条文では「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」と明記されているのです。
つまり病院は保証人や身元引受人がいないからといって入院を拒むことは法に違反する可能性があるのです。
とうことは保証人がいなくても入院させないとならない。つまりは保証人が誰もいなかったとしても入院自体ができないことはないという風に法律上ではなっています。
どうやって毒親の連帯保証人や身元引受人を拒むのか
毒親本人から「入院するから保証人になってほしい」と言われたら
断りましょう。
それだけでいい。理由はつけてもつけなくてもいいです。
理由などを考えて伝える人もいるかもしれませんが、伝えているうちに言葉が通じる相手かどうかを思い出してください。そもそもこちらの言葉が通じる相手は毒親にはなりません。
だからひと言「なりません」だけでいいです。
兄弟がいるならその兄弟にさせる手もありますが、その兄弟との関係性も崩れるので(毒兄弟ならいいですが)兄弟がいたとしても自分の意思を伝えるだけでいいです。
そのあとは電話に出ない、メールも無視しましょう。
病院から保証人の紙を渡された場合
緊急入院や転院時に同席した場合、入院する毒親本人が検査や診断を受けている間に看護師や事務方から入院に関する書類を渡されることがあります。
うっかり病院に行ってしまった場合、その場合の断り方は
これだけでいいです。
入院するときには保険証の確認や様々な記入する書類がありますが、その場で責任のない書類に本人の代筆するような書類程度は記入をすることは問題ないでしょうが、連帯保証人や身元引受人のサインを依頼されたら、はっきりと断りましょう。
私の場合は「ネグレクトされて育ったので、保証人にも身元引受人にもなるつもりはありません」と伝えました。病院側もそう伝えると深追いはされませんでした。
もしこれで入院できないとなったら、先に書いた法律のことを持ち出したかもしれませんし、保証人を探すのは入院する本人の問題なので、保証人がいなくて入院拒否されたからといって私には関係ないことなので、放置して帰ったと思います。
手元に誓約書を預かってしまった場合
緊急入院などの場合など、その場で書類を書かずに持ち帰ってから署名・捺印をと言われ、書類を持って帰る場合があります。
入院から3日後までに提出してくださいとか書いてあります。
その場合の断り方は、そのまま出さないでいることも可能かもしれませんが、病院側も記入して提出を待っていますので、お勧めはしません。そしてなにより私自身が提出していないことにモヤモヤしてしまうので放置は止めました。
最終的には私の場合、病院に電話連絡をしました。
伝えることは先ほどと同じで「私は連帯保証人にも身元引受人にもなりません」です。
あくまで連帯保証人や身元引受人を探すのは入院する本人なので、深追いはされませんでした。
毒親の保証人や身元引受人にならなくていいのか
逆にどうしてならなくてはいけないのでしょうか。
誓約書、契約書などは自分の意思決定してサインするものです。自分自身が納得していないものにサインすると後々後悔や不安しかでてきません。
また、毒親が入院したからといって(弱ったからといって)過去自分がされてきたことが水に流されることはありません。
またここで保証人にでもなって恩を着せてやろうと思っても、当の毒親本人はなんとも思わないでしょうし(何回も言いますが、この程度で有難いと思うような人は毒親にはなりません)、むしろ子どもなんだから当然だと負債を押し付けてくる可能性もあります。
そんなハイリスクを追ってまで連帯保証人や身元引受人になる必要はないです。
自分の身は自分で守りましょう。
毒親育ちのみなさんは優しい方も多いので
「自分がならなかったらほかになる人がいない」とか「世間体が悪い」とか考えることもあります。
ですが、保証人を探すのは誰ですか?→入院する本人です。
子どものあなたが断ったからといって次の保証人を探すのは、入院する本人のやることなので、断って連絡を絶ってしまえばもう先のことは考えなくていいのです。
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毒親の入院時、連帯保証人と身元引受人を断った。その後・・・
その後は何もないです。
毒親本人からの連絡もしばらく無視していたら止まりましたし、病院からも一度着信がありましたが、それ以外はなにもありません。
今も入院しているか退院したのか、退院させられたのかもわかりません。
今回は毒親が緊急入院でバタバタしましたが、次回もし同じようなことがあったら最初から行かないことを選択します。
救急隊員や病院側は家族の連絡先が分かる場合は電話をかけてきます。
毒親が連絡先をメモしていたりすると、その家族にかけてきます。
普通の家庭なら「親が倒れた!?急いで病院に行かなくては!!」となりますが、そうではない家庭は違います。
今度救急隊員や病院から電話がかかってきたときのセリフはもう考えてあります。
毒親の入院~おまけ~
入院時に必要なものって、誓約書だけではなくたくさんあります。
書類もいろいろありますが、本人に代わって保険証や医療証を提出したり、入院時に必要な用具を準備するように依頼されたり。
具体的にはタオルや下着、パジャマ、歯ブラシセット、病院内で履く靴(スリッパはダメ)など色々です。
病院から連絡があり病院に行ってしまうと、当然のようにそれを準備するように言われます。そりゃそうですよね。
そしてそれらを準備したらしたで、数日して汚れたら引き取って洗濯してまた病院に持っていく作業も加わります。
だから最初から行かないことをおススメします。
病院には入院セット(入院に必要なものが1日単位で提供してもらえるセット。有料)があるかもしれませんし、洗濯も業者に頼むこともできるはずです。
身寄りのない人はない人でどうにかしているのです。
断ったあとの心配は子どもがするのではなく、断られた本人がすることです。
ただ、亡くなった場合はまた別に考えなくてはいけません。
毒親と縁を切ったからといって、亡くなって相続が発生すると負債も相続人に渡されるからです。そのときは相続するものを調べ、負債の方が多ければ相続放棄をするなどまた考えることがありそうです。
最後に、相続放棄をしても入院時に連帯保証人になっていたら、相続放棄をしても入院費は支払わなくてはなりません・・・。怖いですね。